板橋区立美術館で開催中のボローニャ展関連企画として開催された、
Patinaさんでの第二回イランの絵本展は、19日で無事終了しました。初めの方はずっと雨がしとしと。終わりの方はかんかん照り。「7月の展覧会は前もそうだったなぁ」とPatinaさんのテラスの濃い緑を眺めながら思っていました。
今回も色々な天気の中、遠くから、近くから、イランの絵本を見にきてくださって、誠にありがとうございました。
今回はサラーム・サラームの絵本に加えて、ユネスコアジア文化センターより寄贈していただいた絵本の一部も展示しました。DMに絵を使わせてもらった、あの、猫と魚と鳥が合体した不思議な何かはやっぱり大人気でした。

『アレフはアルファベットの最初の文字』1巻と2巻 by ヌーレッディーン・ザッリーンケルク
実はこの本、他の出版社から再版されたのですが、残念ながらこの妙な動物(?)の絵は採用されていません。まあ、中身と全く関係ないので仕方ないんですけどね…。ん?でもちょっと考えてみると、アルファベットブックの表紙が「名前のない何か」であることは逆に示唆的でもありますね。うーむ。深読みできる表紙です。
ちなみに作者のザッリーンケルクさんは今年78歳。元々医者だったのが「絵を描く方がもっと好きだったから」絵描きになり、アニメや絵本など様々なものを生み出したイラン絵本界のレジェンド的存在です。そう。ザッリーンケルクさんの絵本にはちょっと理系的なセンスを感じるんですよね。この人をフォーカスした展示がいつかできたら…と思います。
新しい本ではアーザーデ・マダニーさんが絵を描いている『狩りの日』と『ネコ奥さんと子ネコたち』が一番人気でした。

左の『ネコ奥さん〜』は、ちびネコたちが愛らし過ぎて目尻が下がる名作で、もう長く人気ですが、『狩りの日』は今回初登場。静かで美しい森の中で繰り広げられる「狩り」の様子とその末の意外な結末が描かれています。
『狩りの日』の動物たちは、アリから人間までとにかく小さいです。アリは特に小さい。でもなにか目をひく強さがあります。表情にユーモアがあるというのがその一因なのか…。大きな森の小さないのちの存在感が際立つ絵です。
そして、壁を飾ったのはモルテザーとマルジャーンの絵。会期中はちゃんとご紹介できませんでしたが、モルテザーの今回の絵は切り絵でした。
多分、紙に色を塗るところからやっているモルテザーの切り絵。丁寧に仕上げられた絵は、絵本展に訪れる人たちをやさしく迎えてくれました。
主人公のサラは今日も階段に座って「せかいの大きさ」を「数えて」いますよ。きっと!
ということで今年の絵本展は終了。
残すは9月のモルテザー展と11月のナルゲス展です。
さあ、準備だ!