もうずっと前に、
『イラン音楽』(谷正人著、青土社)という本をご紹介したことがありました。
白状いたしますと、あの時はちゃんと読んでおりませんでした…すみません!お恥ずかし。
しかし!このたびようやく読了しまして(遅すぎ)、改めてこの本がとてもおもしろいことをお伝えしたいと思います。
この本は様々な興味深い部分を持っているので、読む人によって様々な感想があると思いますが、わたしがおもしろいと思ったのは、イラン音楽における「即興」概念を、「声の文化」という切り口で解き明かしているところです。
「声の文化」とは、本書の言い方で言うと「非回数的」を特徴とする文化のこと。音を楽譜にしたり録音したりして「固定」する「テクスト文化」と対称をなす言葉です。
この「声の文化」のことを、詩や建築の例もあげて分かりやすく解説していくのですが、これまでイランの人や文学に触れてきた者にとっては、腑に落ちる部分が多くあり、大変刺激的でした。そして自分がいかに「テクスト文化」に縛られているかもよくわかったわけです。
自分が無意識に持っている感覚が相対化され、納得できる形で覆されていくのはとても楽しい体験ですよね。
アドレナリンが出る読書でした。
正直言うと、旋律型の分析など、読み進めるのがきつい部分もありますけれど、この本はイラン音楽に興味のない人でも十分におもしろい本だと思います。
是非、どうぞ。