今回のグループ展は「死」がテーマです、と言われました。
マルジャーンの作品はこれです。
この作品に対するユメのコメントとともに、どうぞ。
「マルジャーンの作品には、いくつか「お腹の中に人が居る」作品が存在する。
私は、このシリーズの作品を目にしたときから無性に気になり続けていた。
「体内の中に生命を宿す」ことの出来る女体。
それはそれは神秘と生命力に溢れたまさに「生」を象徴すべきものであるが、どこかマルジャーンの作品には、儚げでありながらほんの少し気持ちがざわめくような感覚を覚える。
「女」である以上、当たり前のように「子供を産む」という機能があるとされる。
「子供がほしい」「ほしくない」などとナイーブな感情が湧く前から身体はせっせと「その為」に準備を始めている。
そう、私はためらっているのだ。
なにより生命としてこの世に誕生する前の「卵」というものを,ある時期からずっとぐしゃりと捨て続けているのである。それも、私の意思が働く前から繰り返されている。
マルジャーンの作品を見ていると、「女」としてのやるせなさに立ちかえらされる気がしてチクリと胸が痛む。考えようによっては一番見近な「死」がこの体内の中で繰り返されているのである。「死」と「生」のまさに表裏一体の様。
「死」というテーマの本展で、おもわずこのマルジャーンの作品を思い出した所以である。
きっと、マルジャーンこの作品の意図は他にあるに違いない。ただ、繰り返しマルジャーンも「お腹の中に人が居る」作品を描いていることには変わりない。
本人に聞けば「別になにも考えてないのよ」なんて言われそうだが…」
salamx2 Yume