イランには日本のような湿潤な地域もありますが、やはり基本的には乾燥地域。広大な沙漠を擁しています。
一度、テヘランから南西の古都シーラーズに14時間ほどかけて車で移動したことがあるのですが、このルートはまさに、灌木なようなものが少し生えているだけの、沙漠地帯。
最初のうちはこの、日本では決してみられない、どこまでも続く黄土色の世界に興奮しました。地面に雲の陰がくっきりと映し出されているのを見るだけで、むやみにはしゃいだりもしました。
でも、だんだん疲れてくるのです。
草木のない風景の中で、逆に息苦しささえ感じ始めます。
なので、シーラーズ郊外のぶどう畑を見た時、心から「生き返った!」と思いました。
イランの人たちが、草木をふんだんに植えた美しい庭園を作ったり、水辺でおしゃべりをするのを楽しむ理由が、この経験でよくわかったという次第です。