人気ブログランキング | 話題のタグを見る

salamx2の雑談

salamx2.exblog.jp
ブログトップ

マネキンといえば

マネキンといえば、先日ご紹介した『生埋め』という小説の中に「幕屋の人形」という短編があります。

フランスに留学していた奥手でまじめな少年が、ある洋服屋のマネキンに一目惚れ。大金をはたいてそれを購入し、家に持ち帰ります。やがてイランに帰国しても、婚約者には見向きもせず、マネキンだけを愛し続ける主人公。婚約者は主人公に愛してほしくて、マネキンが着ているような服を着、髪型やポーズまで同じになるよう熱心に研究し始めます。そしてある夜、マネキンを優しく撫でた時に感じた熱に気が狂ってしまった主人公は、恐怖により銃でそのマネキンを撃ち抜いてしまいます。しかし血を流して倒れたそれは婚約者だったのです。という話。

この短編は学生時代に授業で原文を読んだことがありました。それまで授業でのペルシャ語の文章は「ペルシャ語の勉強のため」と思って読んでいたのですが、この作品は初めて、ペルシャ語とか日本語とか勉強とか、そういうことは関係なしにおもしろい、と思った作品でした(この要約ではそのおもしろさはあまり伝わらないかもしれませんが、、、)。それで今でも深い印象が残っています。
by salamx2 | 2008-05-20 09:07 | Comments(0)