ペルシャ語の表現のことをもう一つ。
つらい状況に置かれている何かに対して深く同情する時(あまりに可哀想でこっちがつらい、というような)の表現の一つに、
delam kabab shod.(デラム・キャバーブ・ショド)
という言い方があります。変に直訳すると「わたしの心はケバブとなった」。
ケバブというのは、日本でも市民権を得つつある羊とか牛肉の串焼き。要は心が焼けてしまうほどつらいよ、という意味になるわけです。
でもこの表現に出くわすと、なぜかわたしの頭の中には鶏の丸焼きが出現します。ものすごく悲しい気持ちの表現だとわかっているのにどうしても出てくるんですね、おいしそうな鶏の丸焼きが。
シリアスな場面に鶏の丸焼きがいきなり割り込んでくるので、いつも苦笑して自らツッコミます。